finceの大脱走 風間杜夫 ひとり芝居三部作

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風間杜夫 ひとり芝居三部作

今日は午後2時から、隣町の市民会館にかの風間杜夫大先生が公演にやってくる。
通常ありえない。
県庁所在地ならいざ知らず、合併後でやっとこウチの市の人口を越えたスノッブな住人の町に来る事も、公演をする事も信じられない。

仕事を重剣に任せ、着替えるおいらに衝撃のメールが!!。
何と、公演前に我が劇団の面々とお会い下さるとの連絡メールが!!!。

慌てて着替えて、飛び出したのだった・・・。
あまりに早く到着。
だが、既に会館の入り口前には行列が。
平均年齢55歳は下らぬ婆共の一団である。
この時点で一つ勘違い。
一時開場の、一時半開演だと思っていたのだ。
婆共が落ち着かずうろちょろする為、イライラ。
まぁ、いいや。
婆共と違って、俺らは風間杜夫に会えるもんねぇ。
正直微妙な天候であった。
外は強風で肌寒いのだが、屋内は微妙に蒸し暑い。
会館入り口で、お婆達の化粧品やら、何だか良く解らない加齢臭に気持ち悪くなる。

入り口が開く事になり、大体50名単位で中に通される。
やたらに前に詰めろとの指示。
仕方なく一番前へ。
ど真ん中、とは行かず、舞台に向かって右側へ。
ちょうど、隣りが開いていたところへ、劇団の副団長のIさんが来た。
風間杜夫に会わせてやるというのはどうやら団長のようである。
でもまだ来ていないらしい。

ここの市民会館は一般的な劇場と違い、座席が無い。
おまけに、今回は席数を増やす為に、大半が桟敷である。
座って待ってる間に既に腰が痛い。

第一部 カラオケマン

かくして、開演。
のっけから、ハイテンションで、弩派手な衣装の風間杜夫登場。
歌は半端なく上手い。

しがない会社で課長職に就いている牛山アキラ。
営業課長である彼の特技はカラオケ。
プロ顔負けの芸で営業成績を上げてきたのだ。

冒頭では三波春夫の長編歌謡浪曲「忠臣蔵」の練習だったのだが、得意先の部長の好みが石川さゆりと判明。
変更を余儀なくされる。
天城越えを熱唱。

打ち合わせの接待が終わると、浮気相手レイコから電話。
またもカラオケボックスで逢引。
ハマショーやら、やたらに器用な人である。
こんどは逢引中に部長から電話。
喫茶店にいると誤魔化すが、急な出張の為、常務のやる筈だった仲人を代わりにやってくれ、といわれる。

家に帰ると、電気も点けずに妻が待っていた。
言い訳をするアキラ。
母親から電話があったという。
かけなおすアキラ。
だが、母親は寝ていた。
兄と会話し、近い内に顔を出すと約束。

再び、逢引。
だが、レイコの様子がおかしい。
突然、離婚して一緒になって、と迫られるアキラ。
必死に宥めすかすが、奥さんにばらす、と言われて大弱り。

翌日の結婚式を控え、アキラは一本の電話に驚く。
母親が胃潰瘍で吐血して入院したと。
さりとて仲人はやらねばならず、結婚式を片付けてから実家に帰る事に。

結婚式も滞りなく進行していたのだが・・・。
お色直しの最中に酔ったレイコが出現。
アキラの隣りに座り込む。
酔った勢いでアキラとの事を口走り、会場は一時騒然となる。
レイコを会場から連れ出してもらい、その場を取り繕う為、得意の忠臣蔵をアカペラで披露し、大喝采を浴びる。

結婚式を終え、夕暮れの駅のホームに現れるアキラ。
白いネクタイを外し、黒いネクタイを着けるアキラ。
ベンチにへたり込み、母との思い出を口にするアキラ。
母の好きだった歌を歌いながら、溢れる涙を堪えきれないアキラだった・・・。

ここで、10分間休憩。
煙草を吸い、トイレを済ませる。

第二部 旅の空

冒頭から???である。
交番に現れた一人の男。
挙動不審者である。
自分の事に関する記憶だけが、すっかり無い、と語る。
サウナで水風呂に入り、気分が悪くなり、休憩室で横になった直後、それ以前の記憶がすっかり失われてしまっていたのだ。
結局、警官の勧めで病院へ行く事に。

医師との診断の最中に高校時代の記憶が蘇る。
夏休みに九州をヒッチハイクをした時の記憶だ。
とにかく旅が好きだった、と。
好きな事も思い出した。
時代劇が大好きで、特に中村錦之助の大ファン。
落語は痴楽が大好きだった。
昔ラジオで聞いた痴楽のつづり方教室を演じ、大好きな錦之助の映画、
「関の弥多っぺ」の一場面を三度笠を鍋に持ち替えて熱演。

突然場面が切り替わる。
イタリアンレストランで愛娘の就職祝いをする男、妻・長女・長男とにこやかに会話したり、娘の彼氏の話題で盛り上がる。
終いには男に騙されるんじゃない、男なんてみんないい加減だ!と泣き出す。

その後、静かに立ち上がる男。
医師による治療の一環だったのだ。
でも、何も思い出せない。


第三部 一人

公園のベンチ。
股旅装束の上にドテラを羽織った男が座っている。
男は股旅モノの名作「瞼の母」の練習を一人でやっていた。
ヤクザな番頭がタカリに来た元夜鷹の婆さんを叩き出すシーンだった。
だが、どうしても台詞が抜け落ちてしまう。
そこで様々な人々に会う。

友達の居ない大会社の御曹司の小学生。
中々の才能に感心するも、少年は看護師になりたいと夢を語る。
そこへ、母親がやって来て連れ帰られてしまう。
将来に不安を抱える少年にやりたい事をやんな、と。

リストラされたサラリーマン。
一座に加わる事を希望するも、余りの才能の無さに絶句。
気を落とすサラリーマンに元気出せよ、と送り出す。

突然、男に興味を示し、近寄ってくる老婆。
いきなり、結婚を迫られます。
まぁまぁ、宥めすかし、自分の稽古につき合わせます。
散々遊んで老婆は帰っていきます。

劇団への入団を志願する高校二年生の女子。
上手さとやる気に感心しますが、学校だけは卒業しな、と帰します。

男へ声をかける青年が。
青年は男を父と呼びます。
驚愕する男。
男は二年前にサウナで記憶を失って以来、大衆演劇の一座に拾われ、憧れの錦之助の演じた「番場の忠太郎」「関の弥多っぺ」を演じたい一心で旅を続けていたのだ。
息子と名乗る青年は、男が牛山アキラである事、二年前に妻に浮気がバレて離婚届を突きつけられ、夫婦喧嘩の末に飛び出し、電話で暫く帰らない、と伝えてから、二年の間行方知れずになっていたのだ。

何で、俺の事が解ったんだ?、と問う男に青年は、旅先の公演で親戚の一人がアキラを見かけ、連絡してきたというのだ。

男に妻からの離婚届を手渡す青年。
記憶は戻らないが、迷惑をかけたな、と受け取る男。
明日、判子を押して郵送するよ、と。

別れ際、男は青年に約束する。
主役を演じる時には必ず連絡する、と。

場面が変わり、「瞼の母」の名場面。
勿論、番場の忠太郎は男が演じている。
突如名乗り出た息子・忠太郎を信じる事ができず、追い出す実母。
だが、仔細を知って、忠太郎を捜す実母と父違いの妹の声が。
会ってやるもんか、と藪の中で嘯く忠太郎。
「上の瞼と、下の瞼をくっつけりゃぁ、・・・」の名台詞。
そこへ、実母の過去を知り、強請ろうとしていた男が浪人者を引き連れて邪魔者忠太郎を始末しに現れる。
名乗らない、男達に、
「親はいるか?!。子は?!」
「ねぇ!!」
次々と斬り伏せて、一人去って行く忠太郎。


ってところでエンディング。




いやぁ、まぁ、口にするのもおこがましいが、「凄い」の10乗である。
一人芝居で、途中10分の休憩があるとは言え、3時間の長丁場を歌って踊って、笑わせて、泣かせる。
1949年生まれ。
バリバリの団塊の世代である。
今年で58歳、どこにそんなパワーがあるのか。
微妙に皮膚の緩みはあるが、柔らかな風貌に、年輪を重ねた渋さを漂わす。

実際、若い人がみたら、各所に鏤められたネタの大半が楽しめまい。
若き日の師匠が風間杜夫の舞台に感動して芝居の道を目指した、と語った事を思い出す。

師匠は九歳くらい下だったか。
嘗ての写真を見ると、紅顔の美少年?と読んでも差し支えあるまい。
今は、目ぐらいしか面影は無いが・・・・。

幸いな事に、おいらは50歳以上の人間のネタもOKなので、役者・脚本・演出ともに非常に楽しめた。
主人公の好きな中村錦之助、長谷川伸の股旅モノなど、芝居に関わっていなければ、まず知らなかったであろうネタだな。

風間杜夫を育てたつかこうへい先生の言葉を思い出した。
芝居は変化するもので、一度として同じものは存在しない、と。
「熱海殺人事件」が流行った時、一言一句変えずに、忠実に再現している舞台を見たそうである。(勿論、無断)
ぞっとして、気持ち悪くなったそうである。
台詞も演出もアドリブも変えてくれ、と語っていた。

師匠の参加した劇団(現在は関西の大人気劇団)も初期はつか作品を上演。
師匠は犯人・大山金太郎役だったのだが、登場シーンは演出に毎回工夫を凝らしたそうである。
元の台本や、初演では、マイウェイを歌いながら、バラを観客に配りながら登場する。
取調室の机の中から登場したり、花道を原付で走ったり、おばかな演出をたくさん凝らしたそうである。
台詞も大半がアドリブで、当日のリハで適当に決めていたそうである。

ここまで書いてきたのは言わば、「つかメソッド」の一端の説明をしたかったからだ。

今日見た芝居も、時事ネタを微妙に織り込んであった。
1950~1970年代のネタを織り込みながら、遣り取りの中に、今まさにタイムリーなネタを盛り込んで、観客を引き込み、引きずり回す。

実は、今日は三部作としての上演だったのだが、97年「旅の空」00年「カラオケマン」に「一人」の脚本を加え、ストーリーとして完結させたモノであった。
今日三部作として見る事が出来て、非常に幸運であった。

おばかな素人ではあるが、「本物」の「役者」を見せていただいた。

明後日からトレーニングを含め、脚本の改変、稽古、演出に頑張りたいと思う。


ところで、風間さんに会わせて貰える、という話だが・・・。

終演後、皆と入り口近くで集まり、副団長Iさんが団長に電話。
会話の後、呆れ顔のIさん。
団長は既に近くのショッピングセンターへ移動しているとの事。

呆れてものが言えません。

練習の時に甚振ってやる事にしませう。

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Re: 風間杜夫 ひとり芝居三部作

杜夫氏には結局会えなかったのですか。。。残念。

でも、すっごくいいお芝居を観れたようで。
ひとり芝居って、どう考えてもハードですよね。
私も観てみたいな、風間杜夫の芝居。

Re: 風間杜夫 ひとり芝居三部作

なんて残念な!なかなか無いチャンスだったというのに…。
でも、ナマの舞台を「かぶりつき」で見られるなんて、兄、アナタはラッキーですよ!

Re: 風間杜夫 ひとり芝居三部作

本当にお会いできなかったのは残念だったのですが・・・。

でも、素晴らしい舞台を見せて頂き、秋の公演へのエネルギーになった事は間違いありません。

月曜も、別な舞台「ど」を鑑賞しに行ってきます。
また、レポします。

Re: 風間杜夫 ひとり芝居三部作

三部作かあ~、豪華版だねえ。それと長時間、加齢臭に負けずよく耐えた!

周りがジジイばっかりだったら天国だったのにねえ。やはりモリリンはイケメンだから女性ファンが多いのだよ…。

Re: 風間杜夫 ひとり芝居三部作

>周りがジジイばっかりだったら天国だったのにねえ。
渋カッコイイ爺限定です。

高齢者が多かったのは、銭形平次をやってた関係があるかもです。
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